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非常に珍しい、サンドブラストフィニッシュのRoyal Comoys。しかも1930年代の製作を示す、LONDON MADEスタンプを備えた1本。非常にスマートでベーシックなスモールビリヤードである。このパイプのサンドブラストは、Comoy'sの標準的なサンドブラストグレードである後年のSandblastの単色ブラックステインとは違い、まるでDunhillのShellのような、ダークプラムカラーのステインの上にブラックでフィニッシュしたダブルステインとなっている。Comoy'sのサンドブラストパイプの歴史の中でもおそらく最初期に位置するであろう、非常に興味深いサンプルとなっている。
このパイプはebay shopでしばらくリストされていたものだが、As Isコンディションで売られていたためかしばらく残っていたもので、非常に安価に手に入れることができた。状態は極上で、少々の手間で簡単にベストコンディションに復帰した。シャンクフェイスなどに残っていたステインの量から見るとおそらくワンオーナーで、短期間使用された後死蔵されていたものだと思われる。インターネットでのオークションでは数多くのリアル・バーゲンの可能性があるが、これはその中でも稀なケース。ちなみにスモーキング・クオリティは極上で、手持ちのComoy'sの中でも最高。素晴らしいパイプである。
スレンダーな、優美に延びるラインのスモールビリヤード#106。Comoy'sのビリヤードの中でもスモールサイズとしては実に標準的なシェイプである。
Dunhill Shellに酷似したダークプラム/ブラックのサンドブラストフィニッシュ。ブラストのテクスチャはそれほどクラッギーではないが、ブラストが良くグレインを浮き上がらせている。非常に堅実な美しいフィニッシュ。
他に並び立つものがないComoy's特有の精度と、精緻で入念に仕上げられたエンジニアリングがよくわかるショット。(上)ステムのアラインメントは完璧の一言。リップスリットからボウルの底を容易に覗うことができる。また、ステム内煙道のボア径もリップの薄さを考えると驚異的な太さ。(中)シャンク内部のアップ。精密感が漂う煙道近辺のエンジニアリング。(下)二段切削され延長されたtenonのアップ。このRoyalのtenon先端/mortise底間のギャップはなんとわずか1mm。この二段切削されたtenonは、明らかにComoy'sの経験から導き出された、スムースなエアフローのためのギミックである。tenonの長さを必要以上に延長すればtenonの固着とクラックの可能性が高まるが、それをすることなくギャップを最小限に抑えることに成功している。さらにtenon吸入口は丁寧にベベルされさらなるスムーズさを狙っている。Comoy'sのエアフローに関する意識が、非常に細かい点にまで行き届いていたことの証拠である。
shape#106 billiard
stem: handcut vulcanite
junction: normal
color: dark plum/black sandblast
ornament:none
length:142mm
height: 40mm
chamber dia: 18mm
chamber depth: 39mm
weight: 24.5g
nomenclature:
ROYAL (in upper case, san-serif)
COMOYS (in upper case, san-serif)
LONDON MADE(straight stamp)
106
3-piece inlaid C logo on the stem
note:
・パーフェクトコンディション