Bulldog? Rhodesian?

BulldogとRhodesianの違いに頭を悩ませたことのある方は結構多いのではないかと思います。Italian PipeのTarek Manadily氏が面白い説を提唱しているので今回はそれを紹介したいと思います。

『Bulldogはダイヤモンドシャンク、Rhodesianはラウンドシャンク』
『Bulldogはストレート、Rhodesianはベント』
『BulldogとRhodesianはどっちも同じ』

等など、この二つのクラシックシェイプの定義には多くのスモーカーが混乱していると思います。メジャーなのは1番目のもので、私もこのサイトでパイプのシェイプを描写するときはこれにのっとっています。しかし、古いオールドイングリッシュのカタログなどを見ていると、ダイヤモンドシャンク/ラウンドシャンクではくくりきれない記述に出会うことも多く、例えばDunhillの"P"シェイプ(ダイヤモンドシャンク)はRhodesian、Comoy'sの#229も(ダイヤモンドシャンク)Rhodesianと定義されています。このことから現代では顧みられなくなった、この二つのシェイプを分かつ何がしかの定義がかつて存在していたのではないかと考えられます。

Tarekさんが古い記録を調査したところによると、Bulldogの原型であるHaitiというシェイプはフランス、サンクロードで初めて製作され、その頃はダイヤモンド/ラウンド両方が存在していたそうです。Tarekさんの結論としては図のように、ブルドッグ/ローデシアンボウルを構成する二つの円錐形のうち、上部分の円錐の傾斜角の違いがこの二つのシェイプの差になっているのではないかということです。私の感覚でもこのTarekさんの分類は非常に頷けるものがあると思いました。

Upper Cone wallの傾斜比によるBulldogとRhodesianの分類

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こんなシェイプもあり?

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この説にのっとると、こんな変?なシェイプも立派なブル、立派なローディです。

 

 

 

※現代のモダンハンドメイド作家でも、オールドイングリッシュパイプに造詣が深く、自身も頻繁に1920年代の古いシェイプを復刻したり、オールドダンヒルのフィニッシュへのオマージュパイプを製作することを好むイタリアのPaolo Beckerは、例えダイヤモンドシャンクでもアッパーコーンの傾斜角が大きいパイプはRodesian、ラウンドシャンクでビリヤードに2本ラインを入れただけのような傾斜角の小さいパイプをBulldogと命名している。