カルナバワックス・ハンドフィニッシュ

概要

カルナバワックスはパイプの保護・ツヤ出し用ワックスとしてもっとも適しているとされますが、常温で固体、非常に固いため、塗布にはバフモーターの使用が一般的です。しかしバフモーターを所有していないパイプスモーカーも多いと思いますので、手軽にカルナバワックスをパイプに塗ることができるハンドフィニッシュ法を紹介します。少々手間がかかりますが、道具を揃える必要もなく、パイプの光沢も十分に確保できる方法です。短所としてはサンドブラストやラスティックパイプなどの表面に凹凸があるパイプには向かない点です。これらのフィニッシュのパイプにはやはりバフモーターが必須となります。

準備するもの

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・固形カルナバワックス(パイプ用にはグレード2で十分。パイプ用品を扱う煙草店などで売っています。50gで10ドル程度)
・Tシャツなどの端切れ
・ライターorアルコールランプ
・パイプ煙草の空き缶の蓋

1.布を準備する

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Tシャツなどの端切れを使いやすい大きさ(20cm x 20cm)程度に切ります。カルナバワックスを少量砕き、空き缶の蓋など載せます。

2.カルナバワックスを溶かす

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缶の蓋を下からライターなどであぶり、ワックスが完全に液体になるまで熱します。缶の蓋はペンチや厚手の布などで保持して、やけどをしないように注意して作業してください。

3.ワックスを布に塗布する

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端切れに溶かしたワックスをまぶします。ワックスは冷えるとすぐに固まってしまうのでできるだけ均等な厚みになるようにしてください。かなりデコボコな表面になると思いますが問題はありません。完全に冷えたら布を少し揉むようにして、表面のワックスがやや砕けて柔軟性が出るようにしてください。

4.ワックスが冷えるのを待つ

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完全に冷えたら布を少し揉むようにして、表面のワックスがやや砕けて柔軟性が出るようにしてください。

5.パイプにワックスを適用する

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椅子に腰掛け、ワックス布を太ももの上(ここが一番やりやすいです)に広げます。パイプはステムを取り外し、ボウルをしっかりと握って、手で布を固定しながらパイプをこすり付けていきます。それほど力はいりませんが、十分にボウルが布に密着するようにして、往復運動を行います。

6.フィニッシュ

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しばらくボウルをこすりつけていると、擦った面に素晴らしい光沢が出てくると思います。まずパイプ全体にこの光沢が出るまで向きを変えて擦り続けます。擦りにくい場所などはボウルを保持して布の方を擦り付けます。一旦ワックスが行き渡ったら、指紋がつかないように綺麗な布かティッシュなどでボウルを保持し、再度全体にワックスをぬりつけます。十分に光沢が出たら、パイプポリッシングクロスやセーム革などでパイプを仕上げ磨きします。新品パイプと全く同様な光沢が出ると思います。

注意する点

・作業中にワックスが粉になってこぼれるので新聞紙を広げるなどの対処をしてからにしてください。

・喫煙後、ワックス布でパイプを軽くポリッシュしてから収納する習慣をつければ、光沢はいつまでも落ちることはありません。

・数本のパイプでテストしており今のところ全く問題はありませんが、この方法の使用は自己責任でお願いいたします。