Loewe "Block" Bulldog (1940s?)

description:

"Rhodesian"と同年代の製作によるものと思われるブルドッグ、シェイプ名は"Block"である。後年(1960年代）この"Block"は"Block taper"と改名される（ということはおそらくBlock saddleも存在したと思われる）が、まだこの時代にはマウスピースのタイプによる区別は存在していなかったようだ。ブルドッグはクラシックシェイプの中でも最も男性的な趣のあるシェイプであるが、それが一旦Loeweの手にかかるとこれほどまでに優美なシェイプになるのは大変興味深い。

Loewe "Rhodesian" shape execution :↑

アップライトでコンパクトにまとまったLoeweのブルドッグ、Block。ボウルターニングにどこか優美さを感じさせるのがLoeweのパイプらしい。シャンクとマウスピースの微妙なテーパーとアール、アッパーコーンの微妙なラウンドなど、色々なパラメーターがパイプ自体の印象を決定するのがクラシックシェイプの面白いところである。

 

Briar texture:↑

ナチュラルステインを施されたブライヤーのクオリティはピット＆フィルフリー。喫煙によってわずかにモカがかった実に面白い色味に染まっている。

 

Engineering:↑

エンジニアリングはイングリッシュパイプのハイスタンダードとでも呼べるクオリティを保っている。（中）かなり大きめに開口したリップエアホール、（下）工作レベルが覗えるテノンのアップに注目。このテノンはアメリカ市場で"English Tenon"と呼ばれた二段切削タイプのものである。

 

Additional Stamping:↑

アメリカ輸出向け(?)を示すMADE IN ENGLANDの円形スタンプと、シェイプ名の刻印のアップ。

 

Elegance of hayday:↑

"Rhodesian"と"Block"のツーショット。シェイプは違えどやはりどことなく風格が似ているのが面白い。