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WindsorはSasieniのサンドブラストフィニッシュのセカンドブランドである。サンドブラストフィニッシュのセカンドには他にもSandhurst(ナチュラルカラーサンドブラスト)、Pickwick(スムースパネルを残したサンドブラスト。タンナチュラル/ダークブラウン)が存在したが、このWindsorは標準的なダークカラーのフィニッシュのラインである。
このWindsor88は1946年以降を示すSasieniのアップライトスクリプトのスタンプを持ち、ステムには文字のみのWのホワイトホットスタンプロゴを持つ。Sasieniのセカンドラインは多く1960年代以降は盾型のロゴ(セカンドブランドごとに意匠は変わる)を持つので、大体1946〜60年代辺りにピンダウンできそうである。88シェイプのエクスキュージョンも60年代初期のものに近い。
Four Dotラインでは"Ashford"となる、authorシェイプ#88。この個体は戦前期の#88に比べるとかなりスクワットされたボウルを持ち、またサイズも相当小型化されている。重量に至ってはサンドブラストフィニッシュも手伝ってほぼ2/3程度。ステムスタンプの形状から50年代と推定するが、Sasieniのシェイプ・エクスキュージョンの変遷を物語っていて興味深い。しかしSasieniのシェイプはかなり流動的である。シェイプの大枠だけが決まっていて、細かなスペシフィケーションは行なわれていなかったのではないかと思われる。1930年代から現在のCadoganによる生産品に至るまでほとんどシェイプに変化がないComoy'sとは対照的だ。
Windsorのサンドブラスト・テクスチャ。彫りこそそれほど深く、クラッギーなわけではないが、非常に風格のある古いDunhill Shellを思い起こさせる味わいである。露出されたバーズアイが見事。SasieniのRustic系はプラムカラーがベースカラーだが、このサンドブラストはFour Dot Wallnutに似たウォルナットカラーがベースカラーとなっている。
アルミチューブが付属しているが、なんと斜めにカットされたスティンガーがtenonに半ば埋めこまれた形となっている。どれだけ効果があるのかは不明だが、面白いディティール。
(上)このサンプルはリップに大きな欠けがあり、非常に安価に購入することができた。バイトマークがほとんどないことから、おそらく落下によって生じた破損だと思われる。リップは上部が残っていれば機能するので実用上はあまり問題はない。(下)すっぽりと人差し指と親指の間に収まる、素晴らしい使い心地を誇るシェイプ#88。
shape #88: author
stem: handcut vulcanite
junction: normal
color: wallnut/black sandblast
ornament:none
length:128mm
height: 34mm
chamber dia: 20mm
chamber depth: 25mm
weight: 35g
nomenclature:
Saisieni(upright script)
WINDSOR(upper case, san-serif)
LONDON MADE
MADE IN ENGLAND (straight stamp)
88
white hot stamp "W" logo on the stem
note:
・リップ下側破損