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Ruff-Rootは1950年代に導入され始めたSasieniのサンドブラスト・グレードである。Dunhill Shellbriarを意識したブラウンコントラストのダークと、同Tanshellのデッドコピーであるライトオレンジのタンの2カラーが存在した。このサンプルはライトタンのRuff-Root、非常に小ぶりなベント、シェイプ名"Rutland"である。Sasieniの中ではややRusticの影に隠れてマイナーな感もあるRuff-Rootであるが、非常に魅力的なフィニッシュであることは間違いない。
Sasieniのベントとしては他にViscount Lascelles、Regentがあるが、三兄弟の中でも一番小型なのがこのRutlandである。所謂Dunhill #56系のスマートなベントであるが、やや細めなシャンクと優美にベンドするステムのシェイプは手のなかにすっぽりとおさまるスモールサイズもあいまって非常に魅力的である。
ライトタンRuff-Rootのサンドブラスト・テクスチャ。ややシャローで、リングブラストやスパイダーウェブ・ブラストが多いのがRuff-Rootの特徴である。サンドブラストのクオリティとしてはDunhill shellにも引けを取ることはない。このRutlandのブラストもリングブラスト系である。ややアンイーブンな染色を受けたタンカラーと相俟って、非常に魅惑的なブラストに仕上がっている。このサンプルもやはりシェラックでファイナルタッチを施してある。
(上)戦後のSasieniに典型的な二段テノンが覗えるストリップショット。 (下)リップのアップ。サイズのせいかSasieniにしてはビットが薄く非常に快適。
Joel SasieniがDunhillから独立してSasieniを作ったことを考えると、Dunhill ShellbriarとSasieni Ruff-Rootは親戚の間柄にあるといえる。とはいえそれぞれが異なったキャラクターを備えているのがオールドブリティッシュパイプの面白いところ。
shape #17 "Rutland": bent billiard
stem: handcut vulcanite
junction: normal
color: light orange sandblast
ornament:none
length:141mm
height: 40mm
chamber dia: 18mm
chamber depth: 34mm
weight: 29g
nomenclature:
Saisieni(post-war script)
FOUR DOT
RUFF-ROOT
LONDON MADE
MADE IN ENGLAND (football shape stamp)
"RUTLAND"
blue Four-Dot inlaid logo aligned in diamond shape on the both sides of the stem
note:
・ニアミント