Barling's Make Ye Olde Wood #252 ExExEL T.V.F. billiard (1950s)

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description:

数あるBarlingのシェイプの中でもシグネイチャーシェイプといえば、堂々たるEXEXELサイズの体躯を持ち、Pre-Trans Barlingファームが一番のプライドを置いていたFlat Saddle Mouthpieceを備えたサドルビリヤード、シェイプ252をおいて他にはない。Alfred DunhillのシェイプLB、SasieniのBuckinghamと並んで、クラシック・ブリティッシュパイプの一つのアイコンとさえ言えるだろう。アメリカ市場で絶大な人気を誇るシェイプである。

このサンプルは誇らしげにBarlingのモットーであるT.V.F(The Very Finest)の刻印を備えたフラッグシップ、Ye Olde Woodグレードの#252。アメリカのコレクター、Ralph Webb氏の好意で譲っていただいたものである。実際に手に持ってみると、その深いプラムカラーのステイン、ハンドターニングによりBarling独特の風格がにじみ出たシェイプエグゼキューションと相俟って、マッシブなExExELサイズのボウルは想像以上の大迫力である。僅かなハンドリングマークを除いて、状態もBarling Crossが手付かずで残っている極上の1本。

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Barling's Make 252 shape execution :↑

Barlingのビリヤードはボウルターニングに特徴がある。ややBrandy Glassにも似た、上部がやや窄まった形状をしており、(Stacked Billardになるとさらにその特徴が顕著となるが)サイズに関わらず非常に優雅な印象を与える。

さらにシャンクがテーパー化されていてボウルから伸びるに従って僅かに細くなっていくことも見逃せない。#252はヘビーシャンク・ビリヤードの部類に入る太目のシャンクを持ってはいるが、この微妙なテーパーによって重さ、ゴツさを感じさせず非常にエレガントにシルエットがまとめられている。そしてこのようなスタンメルに組み合わされるのは他に類を見ない、ショート・ブリッジのサドルビット、Flat Saddle Mouthpieceである。コンストラクションとしてはごくありふれたサドルビリヤードでありながら、総体として他のどのメーカーにも決して見ることのできない独特なシェイプに仕上がっているのだ。

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Briar texture of Barling's Make Ye Olde Wood:↑

この深いプラムカラーこそ、古色蒼然たるBarlingファームの製品にもっとも似合うステインだろう。グレインにはさして見るべきものはないが、アルジェリアン・ブライヤーの持つ独特の細かく縮れたパターンは独特の風格がある。

 

 

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Engineering of Barling's Make:↑

シルクスムースなエアフローを実現するPre-Trans Barlingのエンジニアリング。極大のスリット開口はこのサイズだとさらに迫力がある。

 

 

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Pre-Trans Barling additional stamping:↑

アーチ状メーカーマークとグレード名(Ye Olde Wood)、T.V.F・ディジグネーション、サイズコード、Barlingクロス、レジスタードナンバー。Pre-Trans Barlingの完全なスタンプセット。

 

 

 

 

shape: #252 billiard
stem: handcut vulcanite
junction: normal
color: plum
ornament:none
length: 155mm
height: 55mm
chamber dia: 21mm
chamber depth: 45mm
weight: 55g

nomenclature:
BARLING'S(arched, block)
MAKE(in upper case, block)
YE OLDE WOOD
252

T.V.F.

MADE IN
ENGLAND.

EXEXEL


Barling Cross on the stem
REGD 98046

note:
・ハンドリングマーク少々
・Barling Cross 100%残存