Old England 773R pot (1940s)

description:

Sasieniのセカンドグレードの中でも最も安価で、国内でも人気のあるグレード、Old Englandだが、この小ぶりのPotは戦前のOld England。シェイプナンバー(#73)の前に付いたライン・ナンバー(ここではOld Englandを示す7）があるものは古いセカンドグレードである。

戦後のものに比較してより精緻な作りが顕著で、そのクラフトマンシップはFour Dotなどのファーストグレードと比較しても遜色はない。非常に取り回しの良い、Four Dotラインでは"Wingate"となる小ぶりのポットシェイプと相俟って、安価ながらファーストグレードに劣らない魅力的なパイプとなっている。Rは戦前のTown Name以前のRustic Briarで使用されたものと同じく、Rusticを表すモディファイヤである。

Sasieni #73 shape excution:↑

Four Dotラインでは"Wingate"となるスモールポットシェイプ、73。十分なサイズのボウルとペンシルシャンクの組み合わせという、いささかアンバランスなコンストラクションであるが、これが実に実用性が高い。全長の短さも相俟って非常に強力な実用スモーカーとしてのポテンシャルを秘めているシェイプである。

 

Briar Texture of Old England Rustic:↑

彫り足が短い、セカンドライン特有のラスティケーションはこの時代にほぼ完成の域に達していたことがわかる。イタリアン・パイプのラスティケーションのような面白みには欠けるが十分にラグドな雰囲気があり、シェイプも完全に保存されているため独特の充実した握り心地を誇る。この個体はニアミントで、インナーリムに切られた薄いベベルやトップのラスティケーションも完璧な状態で残存している。

 

Engineering & details:↑

セカンドブランドといえども、なんらファースト品に遜色があるようには見えない。特筆すべきはこのパイプは非常に精緻に作られたハンドカット・マウスピースを備えている点。薄さも薄く開口部の大きさも十分で非常に優れたマウスピースである。後年の戦後のOld Englandと異なり、マウスピース上面にOld Englandのシールド・ロゴがホットスタンプされていることに注意。

 

Nomenclature & stamping:↑

戦前Old Englandの刻印部分。ラインナンバーの7とフィニッシュ・モディファイヤのR、そしてシールドロゴがステム上面に刻印されていること意外は戦後の物との違いはない。ラグビーボール型のP.O.S。