2014年8月の記事

defaulteyecatch

琉球黒檀製タンパー

8月 2nd, 2014

沖縄黒檀タンパー

琉球黒檀製タンパー。下はアンボイナ・バール製シャロスキー・タンパー

先日Ye Olde Briarsの読者を名乗る方から一通のメールを頂きました。

以前サイトでグループオーダーしたビル・シャロスキーのカスタム・タンパーに関して、また発注する機会があったら是非とも参加したいという内容でしたが、ご存知の通りシャロスキーは目下ウン十本というコミッションを抱えて青息吐息の状態。たとえタンパーであってもこれ以上のオーダーはちょっと無理、という状況でしたので、そのときには現在追加発注の予定はない旨を返答しました。

しかし、せっかくサイトまでご連絡を頂いたのにありませんできませんと答えるだけなのも芸のない話です。もともとシャロスキー・タンパーのデザインをしたのは僕自身だったこともあり、シャロスキーのところでの製作は無理だが詳細な図面を提供するので、もし木工職人に心当たりがあればそちらに持ち込んでみてはいかが、とその読者の方には提案しておきました。

沖縄黒檀タンパー

落ち着いたたたずまい。

数週間後、僕の手元には写真の美しい黒檀製タンパーが届いていました。件の読者、W氏がご親切にも僕にも一本分けて下さったものです。W氏は沖縄在住のパイプスモーカーで、タンパーの図面を受け取るやすぐさま地元沖縄の木工工房を訪れ、こういった喫煙具の製作は可能か訊ねると同時に近傍の琉球三味線の工房で材料となった貴重な《琉球黒檀》の端材まで譲り受けていたというのですからその熱意には頭が下がります。

さてこの琉球黒檀タンパー、デザインについて触れると自画自賛になるのでやめておきますが、じつに素晴らしい出来です。製作を担当した沖縄の木工工房”crafty dove gallery”の亀井氏は「私の腕ではこれが限界」と仰ったそうですがなんのなんの。細部まで細かく作り込まれ、しばしばこのデザインで問題となったブレード部分の強度もしっかり確保してあります。《琉球黒檀》はとても目の詰まった硬い木で、僕の手持ちのアンボイナ・バール製のシャロスキー・タンパーよりもずっしりと重みがあります。デザインを提供したとはいえこのような良いものを頂いてしまい、W氏には再度お礼を申し上げたいと思います。

沖縄黒檀タンパー

細部は亀井氏の技が光る

単なる頂き物自慢のようになってしまったエントリですが、カスタム・タンパーに興味があるかたは沖縄県の木工工房 “crafty dove gallery”にコンタクトをとってみてはどうでしょうか。琉球黒檀は希少な素材のため、同じ素材での製作は難しいと思いますが、他の材を使ったものならばカスタムオーダーも可能なんじゃないかと思います。

crafty dove  gallery(クラフティー ダヴ ギャラリー)紹介
http://www.kahu.jp/life/gallery/20140417/index.jsp