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僕のビンテージパイプレストア最終回答
Ye olde briarsではさまざまなビンテージパイプのレストア方法を紹介していますが、200本以上のパイプをレストアした経験を踏まえて現時点での最終回答をメモしておきます。
【ボウル】
SAメソッド/塩使用/1D/3時間乾燥(省略可)
↓
貝ナイフ系リーマーで徹底的にカーボン削る
↓
煙道をアルコールモールで徹底的に清掃
↓
SAメソッド/塩使用/1D/3時間乾燥(省略可)
↓
Restoration balmで表面をポリッシュ
【エボナイトステム】
煙道をアルコールモールで徹底的に清掃
↓
Extra Strength Deoxidizerに漬ける/1D/洗浄
↓
Deoxidizerを適宜くり返す
↓
エッジを養生して耐水ペーパー2000番(省略可)
↓
サンライトプラ用コンパウンドでポリッシュ
【調整・修理】
・リップのエッジ立て
MF13→MF12で削る
↓
耐水ペーパー2000番
↓
サンライトプラ用コンパウンドで仕上げ
・リップの欠落
欠落部分を紙やすり320番で足付け
↓
プラリペアを盛る
↓
紙やすりで成形、2000番まで
【仕上げ】
pipe restration balmをステムとボウルに塗布
↓
ウェスで磨く
↓
乾燥して終了
【用具リンク】
Deoxidizer、restoration balm
マーク・フーバーさんが頒布しているエボナイトケア用品。Deoxidizer(変色除去剤)は数時間漬け置きするだけでエボナイトの変色を除去できる革命的な製品です。restoration balmはステム・ボウル(スムース・サンドブラスト問わず)の艶出しワックス。
https://lbepen.com/shop-5
ヤスリ MF12 MF13
パイプステムの細部を削るのに好適な模型用平ヤスリ。13が細目、12は仕上げ用。
https://mr-hobby.com/ja/product4/category_30/1443.html…
光陽社 コンパウンド
エボナイトステム・アクリルステムの艶出しはコレ。下地は1500-2000番ぐらいまで仕上げてあると作業が楽です。
https://koyo-sha.co.jp/general/sunlight.html…
プラリペア
硬化するとアクリル樹脂になる補修材。強度はかなりあります。「おゆまる君」などを利用して複製も可能です。使用法は説明書や公式ウェブサイトを熟読してください。
http://plarepair.net
Low country Reamer
パイプ作家アダム・デイビッドソンが開発した貝ナイフタイプリーマー。これが最強。日本で一番カーボン削ってるoldbriarsが言うんだから間違いない。刃はついていませんがカーボンケーキを削るのはこの鈍さが丁度いいのです。
https://www.smokingpipes.com/accessories/pipe-tampers-and-tools/moreinfo.cfm?product_id=202915
【補足】
・Oメソッド(オキシクリーン)は廃止
→あまり意味がないように感じるので。
・A/Rメソッドは廃止
→ 中古パイプの嫌な臭いの主原因は煙道内の汚れであることが判明したので、チャンバー内を必死にクリーニングする時間があったら煙道内に手をかけるべき。A/Rやりたかったらやってもいいですがこぼしてボウルのフィニッシュを損壊しないよう気をつけましょう。
・ステム全体のペーパーがけは禁止
→ Deoxidizerという革命的な資材が出現したので、エボナイトステムのレストアはいかにヤスらずに済ませるか、というステージに入りました。Deoxidizer使用後にエボナイト表面が荒れていたら、耐水ペーパー2000番水研ぎを軽く行う程度に留めます。
・Restoration balm以外のワックス、オイルは廃止
→ 設備があるのならバフモーター+カルナバワックスが最強。手作業で仕上げるのならrestoration balmひとつで十分です。
中古パイプの嫌な臭いの主原因は煙道内の汚れです。 徹底的にアルコールモール、煙道ブラシなどを駆使して清掃してください。 煙道内が詰まっている場合は3mm径のドリルビットを使うのも有効です。
「ブライヤーの真実」ロバート・C・ハムリン/PCCA(アメリカ・パイプコレクタークラブ)
(以下の文章は随分昔に訳出して、OBスレに投稿したものですが、現在読んでも十分ためになる文章なのでブログにまとめておきます。ロバート・C・ハムリン氏はPCCAの中心人物で、以前はpipeguyというウェブサイトも運営されていました。oldbriars)
質の高い煙草を用い、パイプを清潔に保つことももちろん重要だが、ブライヤーのキュアリングとパイプの構造は、パイプの吸い味に関する重大な要素であり喫味に実際に影響をもたらす。ブライヤー・キュアリングは質の高いパイプを製造する過程における唯一ののステップである。キュアリングはあるパイプがどのようにブレイクインを終え、どのように熟成するかにおける非常に重要な要素である。煙草の味を最大に楽しむ上で、熟成された葉を選択することと同じくらいの重要度で、熟成されたブライヤーパイプは煙草の最終的な喫味にさらなる味を追加するのである。
熟成されたパイプとはどのようなものであり、どうやって熟成を達成するかという問いに答える前に、どのようにブライヤーが処理されてパイプとなるのかを知る必要がある。
ブライヤーは伐採所(sawmill)で根瘤(briar burl)として収穫されたのち、裁断され等級付けされる。ほとんどのブライヤーは50から75年の樹齢で、サイズはバスケットボールほどだ。伐採されたのちもこれらのブライヤーはまだ生きており、一様に表面から青いひこばえを伸長させる。根瘤は切断され、等級付けされ、大きさを計測されたのち、沸騰した湯の中で殺(安定化)されるのである。
煮沸されたブライヤーは再び等級付けされ、麻袋に詰められたのち、パイプメーカーに出荷される前に最低一年間の空気乾燥にさらされる。この最初の空気乾燥は後々第二ステージのキュアリングを施されることを前提としたものである。パイプ作家は18ヶ月から24ヶ月乾燥されたものを選択し、マスプロメーカーは最大で12ヶ月乾燥されたものを使用することが多い。
この時点で注意すべきは、ブライヤーは伐採所の職人によって大きさ、グレイン、重さ、そして色などで等級付けされるということである。質がまちまちなブライヤーは値段が安く、グレインの良い大きなブロックは最も高価となる。いくつもの麻袋から手ずからブライヤーブロックを選り抜くならさらに値段は高くなる。
パイプメーカーがブライヤーを選んだのち、甘い煙を確かなものとするために追加キュアリングが行われる。全てのパイプ作家がブライヤーブロックをエアキュアしている。この追加エアキュアの期間はパイプメーカーによって異なり、1年から6年の間の差がある。BonfiglioliやBeckerなどの小規模メーカーは1年間ブライヤーを保持し、Ashtonは2-3年、Castelloなどの大規模メーカーはブロック購入後3-6年のエアキュアを行う。
パイプメーカーはユーザーの第一印象が長く尾を引くことを認識している。もしスモーカーが ブレイクインが大変だったり、最初の期間に辛さを感じたりすれば、その人はそのブランドを避けるようになってしまう。逆にブレイクインしやすく、最初の一服から甘い煙が楽しめたなら、その人は次も同じブランドを購入するだろう。キュアリングのさまざまな工程は、ブライヤーブロックがパイプとなる以前から、ブレイクインしやすく「熟成された」パイプを作ることを目的としたものなのである。
「熟成された」パイプとは完全にブレイクインが終了したパイプのことであるが、それを達成する方法とは何だろうか。明確な答えとしては、パイプを吸い続けて新しいブライヤーの辛さがなくすことである。これは通常あまり楽しい経験とは言えず、パイプスモーカーが好むものではない。もしホットで辛い新品パイプの味の原因が分かれば、その対策も取りやすくなるだろう。
ブライヤーも木である以上はタンニン酸(Tannic acid)を含む、といったら驚かれるだろうか。タンニン酸は若いバージニア煙草や収斂性のある未熟成の赤ワインの辛さと同じものである。一般的な植物や木、たとえばオークなどは高濃度のタンニン酸を含んでいる。色々な自然生成の酸が食べ物の中には見られる(たとえばビタミンCも酸の一種である)が、多くは気付かれないか、もしくはその食べ物の味わいにプラスとなっている。オレンジの酸っぱさは柑橘酸によるものだ。この酸っぱさはオレンジの味の重要な一部となっているが、もし100度c近くにまで加熱されたならオレンジジュースや赤ワインを楽しむことはできなくなるだろう。
ここで、未成熟のブライヤーをパイプに使用する際の問題が露になる。つまり「加熱された酸」である。ほとんど全てのパイプタバコ(特にフルフレーバーの非着香タバコ)にもタンニン酸は含まれており、その燃焼には最低でも摂氏150度以上の熱を必要とする。ここにブライヤーに含まれるタンニン酸のことを考慮に入れれば、なぜ真新しいパイプのブレイクインに「ホットで辛い」煙がつきものなのか容易に理解できるだろう。
パイプメーカーはブレイクイン時の不快な味を抑制するために色々な小技を施す。中でも多いのが、燃焼する煙草とブライヤー肌の接触を少なくする方法である。「プリ・スモーク、ブレイクイン不用」といわれるボウル・コーティング、蜂蜜やオリーブオイルをボウル内に塗布する方法が一般的だ。最上の方法は最も自然なやりかた、すなわち酸が単に熟成して分解するのを待つ方法、若い赤ワインの鋭い味がソフトな味に成熟するのと同じプロセスである。もしパイプメーカーに、4-5年の間ブライヤーをストックしておける余裕があるなら、それがタンニン酸を自然に成熟・分解させる最も簡単な方法である。
オイル・キュアリングはアルフレッド・ダンヒルによって初めて開発され、ブライヤーから余計な樹液(酸)を取り去り、ダンヒルのパイプのブレイクインを簡単なものとせしめた方法だ。現在では現行ダンヒル、セル・ヤーコポ、ファーンダウンのパイプがオイルキュアされていると宣伝されている。実のところ、これらのパイプは皆オイルを塗布して加熱処理を施されているだけで、筆者の知る限り、現在のマーケットで手に入るものではアシュトンのブライヤーのみが真のオイルキュア・パイプである。
真のオイルキュアは、ブレンドされたオイルの中に未処理のボウルを漬けることによって行われる。オイルに漬けられたブライヤーボウルは次に加熱されたペグに移され、14日間、エアキュアでは取り去ることのできなかった樹液を完全に除去されるのである。オイルキュアリングの第一の利点は、樹液を完全にブライヤーから除去し、辛さを取り去ることである。第二に、ブライヤーを少しだけ熱に強くする作用があり、パイプが焦げるのを防止することができる。短所としてはオイルの味が処理後も残ってしまうことだが、このオイルの味はブレイクインが完了すれば消失する。とはいえある種の人にはこの味は不快なものと取られるかもしれない。
ブライヤーをブレイクインする真の、そして唯一の方法はそのパイプを吸うことだけである。もし前もってブライヤーがどの程度成熟しているかわかるのなら、ブレイクインの進捗具合に手を加え、ブレイクインを簡単にすることができる。筆者が最近試した二本のカステロは最初の一服からすばらしいの一言だった。苦痛がなく、辛さもなく、不快な味もしない(私は過去に非常に辛いカステロを持っていたこともある)。アシュトンのパイプはいつも辛さがなく、(オイルの存在を思い出させる)少々人工的な味わいが印象的なので、私はより自然に思えるオールド・チャーチ・フィニッシュを選択することが多い。また、スムースの、アシュトン・ソブリンはオイルの味があまりしないように思える。
セル・ヤーコポ、カミネット、ラディーチェ(訳注:ラディーチェはオイルキュアのラインも存在した)のようなエアキュア専門のメーカーは平均的な味わい(すごく悪くもないが、素晴らしくはない)である。表面的なオイル処理を行っている最近のセル・ヤーコポ、現行ダンヒル、ファーンダウンはブレイクインが簡単だ。チャラタン(古いものも現行のものも)、アップシャルはブレイクインのしづらさが有名だが、それが終わればかなり激変するという評判がある。(この結論にはパイプ毎に異なり、同メーカーといえども例外はあるだろう。)
サビネリ、ピーターソン、GBDのようなマシンメイドパイプは追加キュアリングが施されていないため、少々の努力を要することになるだろう。だが筆者のコレクションの中で最も美味いパイプはサビネリのジュビリオ・ドーロなのだ。このパイプは1974年に購入したものだが最もブレイクインしづらい類の一本で、ずいぶん苦労した。しかし一旦熟成が済むと、飛びぬけたパイプとなったのだ。追加キュアリングがなかったがための苦労である。ブレイクイン時の苦痛を和らげるためにはマイルドな煙草をゆっくりと吸えばよい。最初の2-3ボウルを酸の少ないブレンドか、バーレー・ベースの煙草を用いて優しく吸えば、他の煙草を楽しむことができるようになるだろう。
火皿形状というものも、実際には煙草の最終的な味わいに大きな重要性を持つにも関わらず、一般的には見過ごされている。ポット・シェイプに見られるような口径が広く底の浅いボウルは煙草を適切に詰めるのが非常に難しい。逆にチムニーやスレンダー・ビリヤードのような口径が狭く底が深いパイプを適切に詰めるのは最も簡単である。完璧な火皿は、トップからゆるやかにテーパーし、ボトムで幅が狭くなるものである。
火皿は、ひとえに煙草を適切に詰めるために色々なバリエーションが存在する。適切に詰められた煙草はタンピングや再着火をそれほどせずとも均等に燃焼する。きつ過ぎたり緩すぎたりすれば煙は熱くなる。といってもポット・シェイプが駄目というわけではなく、最も適切に吸うのが難しいことに注意すべき、というだけである。
個人的には、もっとも注意を払うべき箇所は煙道がボウルボトムに開口する箇所だと考える。完璧な煙道の開口のしかたとはボウルの中心に、すこしだけ上部に開いたものである。左右へのズレはパイプがどういう味になるかということに全く関係しない。ボトムより少し低く開口した煙道は強めにタンピングすると詰まることが多く、ジュースを生じやすい。あまりにも高いところに開いた煙道は最後に燃えさし(あまり無理して吸う人もいないが)が残ってしまうことになるが、低く開口したものよりマシだといえる。皮肉なことに、多くのパイプスモーカーが少しだけ高く開口したパイプよりも、低く開口したパイプを理想として珍重している。
もうひとつの世間に流布した誤解は、火皿内のカーボンケーキの価値についてである。私は火皿がほとんど埋まり、煙草をほんのちょっとしか入れる場所がないほどカーボンがつけられたパイプを見たことがあるが、このような習慣はブライヤーに害をなすというだけではない。では他の点とはなんだろうか。
こういったカーボンケーキが溜まりに溜まったパイプのオーナーは素晴らしい味わいがする、と断言する。しかしいったいどうしたらそれが分かるのだろう?三服もすれば煙草は全部燃焼してしまうだろう。私が指摘したいのは、このような喫煙によってボウル内に蓄積されたカーボンケーキにまつわるマジカルな考えはどのようなものであれ、真実なものはひとつもないということだ。
薄いカーボンケーキをボウル内につける理由はただ一つ、300℃を超える燃焼する煙草の熱からむきだしのブライヤーを守るためである。煙草の味わいに変化をもたらし、水分や熱を吸収するのはブライヤーなのである。もしカーボンケーキがブライヤーよりも優れた素材なら、全てのパイプはカーボンで作られ、私たちはキュアリングやらグレインやら作家パイプやらに気を回す必要はなくなってしまうだろう。
カーボンケーキにはマジカル・パワーなどは全く存在しない。秘密の味わいも、香りの増幅も存在しない。ただ単にヒートシンクであるだけだ。
煙草の詰め方は大半のスモーカーが考えているほど単純なものではないし、色々な説が示唆するように難しいものでもない。適切な詰め方とは、煙草のタイプ、ボウルの形状によって変わってくるものなのである。背の高いボウルを小さなボウルと同様に詰めることはできないし、口径の大きいポット・ボウルはダブリンやクラシック・ビリヤードと同じように詰めることもできない。適切な詰め方のコツのヒントは、喫煙中に煙草が燃焼する状態にある。燃焼の遅い、圧縮されたフレイク煙草を広いチャンバーにきつく押し込んだら燃焼は非常に難しくなる。詰め方は煙草の火が次の煙草の層に移るために必要なだけ固く(風切音が出るようではいけない)、そしてある程度自由に燃焼することができるだけ緩い必要がある(頻繁にタンピングする必要はない)。固すぎたり緩すぎたりすると再着火の頻度が高くなり、吸い吹きも強くなり、ボウルが熱くなってしまうことになる。
私たちのパイプは生きた木の球体からできたものである。生のブライヤーは伐採所やパイプメーカーの手によって数度にわたって処理され、キュアされ、長年に渡って楽しめる高品質な製品となるのだ。
最終的なキュアリングとは、新品のパイプを手にしたオーナーに委ねられている。最初のブレイクインが終了すれば、あなたは完全に熟成した完全にキュアされたパイプを手にすることになるだろう。あなたのパイプは生の素材から職人の手を経てオーナーに手渡されたもので、そのどの過程にも新しいパイプを楽しめるように、という意思が存在しているのだ。
サドルステムの部位名称について
最近パイプメイキングをたしなむ友人・知人が増えてきました。そのことに関しては別に記事を立てるつもりですが、今日はそんな彼らとやりとりをしていて気づいた小ネタというか、提言というか。
それはサドルビット、サドルステムに関してです。このサドルという語、普通に訳すと馬の鞍、ということになるのでしょうが、馬のサドルにサドルステムとの形状の類似が見られないことから、おそらく自転車のサドル(シートというのが一般的らしい)のほうだと思います。このマウスピースから余計な部分をカットしたカタチを、自転車のサドルを上から見た姿になぞらえたものなのでしょう。
ところが、前述のパイプメイカーの方々と話しているうちに、このサドルステムの形状を云々するのに非常に不便を感じました。マウスピースはテーパードが普通で、部位の用語も(一応)揃っているのですが、サドルステムに関してはこの特異な形状の各部位を指す用語がないのです。英語圏の文献やネットでの会話も漁ってみましたが、サドルステム独自の部位名称というのは定まってないようです。
というわけで、図をごらんになっていただければ一目瞭然ですが、サドルステムを剣に見立てて、「ヒルト(柄)」「ブレード(刃)」「フランジ(鍔)」という語を使ってみてはどうかな、というお話です。よりスペシフィックには、「サドル・ヒルト」、「サドル・ブレード」、「サドル・フランジ」と言えば間違いが少ないのではないかと思います。…これは僕の独創というか、勝手にこう呼んだら便利じゃないの、という話ですので、どこかに典拠とか根拠とかがあるわけではありません。ただ必要とされるパイプメーカーとか、コレクターの間で便利に使っていただければ、ということに過ぎませんので悪しからず。
サドルステムにも、結構メーカーや作家での個性があるもので、たとえば一番分かりやすい例だと、Barlingにはたまに、Barlingクロスが打てないくらいに極端なショートヒルト(そう!こうやってスマートにあの部位を指示することができるのですよ!快感!!)のサドルビットがあります。ダンヒルは少なくとも1970年以前は、テーパーステムがメインのファクトリーで、サドルステムはモディファイヤ<6>のスタンプがついたテーパーステム・シェイプのバリエーションである、という位置づけでした。そのモディファイドなサドルステムはこれまたBarlingとは対照的に極端なロングヒルトで、独特の風格があります。作家さんと話していると、このサドル・ヒルトの切り方でずいぶんとシェイプの印象も変わってくるという話でした。このあたり、ここで提示された用語を使ってガンガン議論していけば、サドルステムの美の規範(ノルマ)などもできあがってくるのかもしれません。その一助までにこのエントリを書きました。
パイプフェスタin府中 2014
今年も2月16日(日)に、東京都府中においてパイプフェスタが開催されます。
僕もYe Olde Briarsのブースを出展します。出展内容は、今年は大量のパイプを持っていくのはちょっと億劫なので、Comoy’sのExtraordinaireシリーズを展示しようかと考えています。
それに加え、このblogではおなじみのイギリスのブティック・タバコブレンダー、GQ Tobaccosを紹介いたします。GQのブレンドを皆さんにお試し頂けるよう何種類か展示する予定です。
近隣にお住まいのパイプスモーカーの方々のご来場をお待ちしております。
※なお、パイプフェスタin府中は入場者の入場料はおろか、ブースを出す出展者(プロ含む)の出店料も無料の、まさにスモーカーによるスモーカーのための素晴らしいイベントです。会場では運営資金への寄付を募っていますので、懐に余裕のある方(特に何万円もするハンドメイド・パイプを年に何本も買うリッチな方々!)は是非ご協力ください。僕はパイプフェスタの運営には関わっておりませんが、一人の自由を愛するスモーカーとしてYe Olde Briarsの読者の方々にご協力をお願い致します。尚、運営者のお一人臥煙堂さんによれば『企業様による協賛金などは大歓迎』とのことです(笑)
ブログ始めました
Ye Olde Briarsの中の人として、日々考えることやパイプ関連の情報はすべてツイッター(https://twitter.com/oldbriars)に投稿していましたが、TIPSや考察、タバコやパイプのレビュー、イベント情報など、固定した形で読めるメディアの必要が強くなってきました。ということでYe Olde Briars Blog、略してYOBlogを開設します。よろしくお願いします。